静的/動的参照
プログラムの世界では、静的/動的という言葉を使います。
静的とは、あらかじめ与えられた状態などが変化しない参照先や処理を言います。
それに反して、動的とは参照先や処理が状況に応じて変化したり、状況に合わせて選択できたりする柔軟性を持っていることを言います。
Excelの場合、静的/動的というと、参照先のことだと考えてください。
Excelユーザーの大半は、静的参照のみにとどまっているはずです。
私も、つい最近までは動的参照・処理をするにはVBAを活用するしかないと信じていました。
しかし、ある関数の存在を知ってからは、VBAへの依存も確実に減りました。
この動的参照は、上級者への道には避けて通ることができないスキルです。
静的参照
例:固定された県名リストの中から県名を選択するのが静的参照です。
地方名の指定は不要ですが大量のデータの中から選択する必要があります。
静的参照の場合は、
・構成や手順は、単純で簡単にできます。(単純な作業に適しています。)
・その反面、臨機応変に参照先を変えることはできません。(応用的な処理には、向いていません)
動的参照
例:選択した地方名に応じて、参照する県名リストが変更される様な状態を動的参照と言います。
九州地方と言えば福岡、佐賀、長崎・・・
四国地方と言えば、愛媛、香川・・・
中国地方と言えば、岡山、鳥取・・・
動的参照を活用すると、
・入力値に応じて、計算する参照先(セル・範囲)を変えることができる。
・入力値に応じて、参照先のシートを変えることができる。
・範囲名の範囲を、データの追加・削除にも自動で対応できる。
など、臨機応変な処理が可能になります。
しかし、動的参照を使いこなすには構成や手順は複雑になります。
誰もが簡単にマスターするには難しく時間を要します。
しかし、動的参照をマスターできるならば、ステップアップするのは間違いありません。
動的参照を可能にする関数(OFFSET関数、INDIRECT関数)
Excelで動的参照を可能にするのは、OFFSET関数、INDIRECT関数 です。
これらの関数の使用方法は、OFFSET関数・INDIRECT関数の項をご参照ください。